森を抜けると、丘に出た。


草木の生い茂る、開放的なところだった。


わたしは彼から離れて、走り出した。


「・・・こけるなよ」


―――だいじょ・・・わっ!?


わたしは、転んだ。


「・・・アホ」


彼が手を差し伸べにきてくれる。


―――ありがとう。


わたしは立ち上がる。


今度はふたりで、丘の端へ向かう。


わたしたちは、たどり着いた。


目指した、高みへ。


そこから街が見渡せた。


街の夢。


ひとの夢。


それは、おなじ。


街を見渡して、そう思った。