「先輩の彼氏、ですか?」


柴田がそう聞いてくる。


「あ、うん」

「こんな格好いいのになんでうちのねーちゃんなんだろ」


祐樹が首を傾げる。


「祐樹!?」


あたしは祐樹の頬を抓る。


「痛い痛い!」

「先輩かわいいじゃないですか」


急に柴田がそんなことを言い出す。


「柴田、どうしたの急に」

「いや、なんとなく」

「誰こいつ」


丈が嫌悪感たっぷりの声になる。


「委員会一緒で祐樹の友達だよ」

「ふーん」


不機嫌オーラ満開。


「先輩不機嫌すぎ!」


祐樹はゲラゲラ笑ってる。


「うるせー。高飛びがんばってこいよ」


丈がふっと笑う。


「うん!」


丈に手を振って階段を下りる。