家に帰るとお父さんはまだ配達から戻ってきていなかった。

 今日はとても長い一日だったな。鬼丸に会ったことさえ夢だったんじゃないかなって思う。

 けど、わたし、ホントに過去に戻ってきてるんだ。

 部屋に戻ると熱気が充満していたから、窓を空けて外へと逃がすと、ベッドに身体を沈ませた。

 わたしが夏休みをやり直しているなんて誰も思わないだろう。もちろん奏多も。

 今日、奏多と会ったときもとても自然に話しが出来たはず。いつも通りだった。

 もし、わたしが奏多に会いにいこうと思わなければ、奏多から話を持ちかけらることもなかったのかな。ダラダラと過ごして気づけば夏休みが終わっていたかも。

 それに、わたしの二度目の夏休みが終われば、もう奏多に会えないかもしれないんだ。

 「これが最後になるのかな」

 そう思うと苦しかった。