だけど奏多は首を振った。
これは計画書じゃないよ。そう否定するように。
「あとひとつだけ。一番やりたいことがまだ残ってるんだ」
「だったらやろうよ。てか、一番最初にやればよかったのに」
「だよな。これは俺がやらなきゃいけないことだもんな」
独り言のように呟いた。
言い聞かせているようにも感じた。
「本当は今じゃないんだけど。もっと先の、未来の夏希に会ったときにって思ってたんだけど」
ーーー未来のわたし?
奏多がわたしを見る。真っ直ぐに。
思わずわたしは背筋を伸ばした。
「読んでほしい」
奏多がノートを差し出す。
そして淡い笑みを浮かべて言った。
「ナツのお母さんからだよ」
胸が早鐘のように打つ。
……母さんから?



