「……やりたいことはもういいの? ほら、たくさん書いてあったでしょ」
流れる沈黙が次第に重くなっていく気がしてわたしから壊した。
計画書の話をする。
「……まだ終わってない。たぶん、全部出来ないから」
「やろうよ。夏休みはまだあるんだからさ」
今日を含めて七日残っている。七日も。
前のわたしなら間違いなくたった七日しかないじゃないと不満をもらしていた。
明日でいいじゃん、と後回しにしただろう。
だけど、七日もあるじゃん。
やりたいことをやらないなんてもったいないよ。
「そのノートって、やりたいことリスト?」
わたしは奏多からノートへ目線を移した。
日を増すごとにくちゃくちゃになっていった一枚の計画書は、もしかしたらそのノートへ書き写したんじゃないかな。
いや、あの紙には書ききれなかったのかも。
勝手に想像して目配せする。



