階段を上がり、すぐ左手にある教室。…なんだけど、なんか暗い?

ドアを引いてみるとあんがい簡単に開いて、中を見るとやはり図書室のようで、たくさんの本が並んでいた。

なんでこんなに暗いの?誰もいないの?

中に入って、入り口近くにあった電気のスイッチを入れる。やっぱり誰もいない。図書委員くらいいないの?

受付のような場所にはパソコンが1台あって、バーコードリーダーが繋がってる。

画面には貸し出しと返却、予約と書かれいる。…セルフサービスらしい。

それにしても、図書室と言ってもそんなに大きくないな。3年間でここの小説読みきれちゃうかもよ?

とりあえず小説の置いてある棚に向かって蔵書を見る。…って、テスト週間だし、終わってから借りよう。

一通り図書室を回って、気になる本は何冊か見つけた。だけど、すぐ飽きそう。

戻ろうかな?入ってきたドアに向かうと、ドアが開いて男女のペアが入ってきた。

「あ、琴音ちゃん発見!!」

「!?」

「だから図書室だって言ったのに」

指を指してきたのは女の子。そんな女の子を呆れた目で見る男の子…麻夏くんだった。

な、何…?

固まっていると、2人は図書室の中に入ってきて、私をまっすぐに見つめてくる。