「ごめんごめん。
着替えは終わってたんだけど、ふたりで日焼け止め塗り合ってたら結構時間かかっちゃって」
「……ああ、そういうこと」
「みんなも色白いんだし、
焼けたら痛いんだからちゃんと塗ってよ?」
あとでね、と言おうとして。
突然黙り込んだ俺に、莉胡が首をかしげる。そのうしろからひょこひょこと出てきた由真は、フリルがついたパステルカラーのセパレートだ。
……うん、問題は。
「千瀬くん、莉胡ちゃんがビキニだからってガン見しちゃだめー。それセクハラー」
「え!?
なんか黙ってると思ってたらわたしのことじっと見てたの!?」
びっくりしたように目を見開く莉胡だ。
パーカーは羽織ってるけどあくまで羽織ってるだけで、ファスナーは下ろされたまま。それはまだいい。そしてビキニなこともまだ許せる。
……が、問題は色の選択だ。
上は白で、下は黒。色を統一しろとは言わないけど、モテる顔の女がそんな格好してたらあきらかに狙われるだろ。
「水着の展開しててねー。
ビキニの上下別売りもあって、セットだといいの見つからなかったからわたしが選んであげたんだよ」
「由真の水着はわたしが選んだの」
「ふふー。千瀬くん動揺してるー?」
楽しげに見つめられて、舌打ちしたくなった。
俺が"こういう"反応になるってわかってて、わざと由真は、莉胡にこういう色を着せてる。無自覚に見せかけて、由真は結構したたかだ。
「べつにしてないよ。
莉胡も由真も、男にナンパされたらめんどくさいから誰かしら男と一緒にいてよ」



