* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

朝のホームルーム。

「転校生の林 麗華さんです。仲良くしてあげてくださいね。」

紹介が終わって、席についた。席の位置は廊下の反対の窓側の一番端の後ろ辺りの席。

周りの人たち5人は休みなのか、遅刻なのか、いない。

ガラガラガラガラ、ピシャンッ!

急いできたのだろう。

息を切らした男子5人がドアを開け、慌てて席につく。

この五人って私の周りの席の人だったのか。

「雷門、山伏、潮、暁、氷蓮、お前ら遅刻だからな~。」

「「「「「え~!」」」」」

「え~!じゃないぞ、次はちゃんと遅刻せず来いよ~。それと、転校生の林さんだ。仲良くしてやってくれよ~。じゃ、朝のホームルームしゅーりょー。」

やる気の無さそうな号令と共に朝のホームルームが終わり教室を出ていく先生。

さっきの遅刻者5人にまじまじと見られる。

「転校生かー。俺は、暁 焔《アカツキ ホムラ》って言うんだ!よろしくな!焔って呼んでくれな!」

眩しいくらいの笑顔で笑いかけてくれた彼は、凄く目鼻立ちがとのっていて、愛嬌のある顔立ちをしている。

「俺は、雷門 鬼羅《ライモン キラ》だよ。鬼羅ってよんでね!よろしくね!」

ウインクされながら言われました。

チャラい感じがする。

ショートくらいの明るい茶髪の毛に右耳に金色のピアスをつけている。

…………チャラい。

「僕は、潮 渚《ウシオ ナギサ》だよ。僕のことは渚って呼んでね。よろしくね。」

柔らかい笑顔で笑いかけてくれた。

たれ気味の目。

おおらかな顔つきで、優しそうだな、って言うのが第一印象。

「俺は、氷蓮 雪《ヒョウレン ユキ》だ。」

私をまじまじとみつめている彼。

つり気味の目に、ショートの髪の毛は茶髪に少し金色がかっている。

「飛鳥もせっかくの転校生なんだから、自己紹介しろよ!」

焔君は、その飛鳥という男の子に向かって言う。

「……………山伏 飛鳥《ヤマブシ アスカ》。」

窓に向かって頬杖をついている彼は、目だけをこっちにやって名前を教えてくれた。

そっけない態度だけど、少し癖のある後ろにはねた短い黒髪。
少し細い目。

「林 麗華です……。よ、よろしくお願いします……。」

深々と頭を下げる。

「あれ?君もしかして……。」

渚君が少し首をかしげる。

「はい!なんでしょうか……?」

「もしかしてだけど、今朝僕と建物の角でぶつかっちゃった……よね?」

「あ。」

こっ、この人だったのか……!

「本当に今朝はごめんなさい!迷惑をおかけして申し訳ございませんでした!」

「そんなにかしこまらなくてもいいよ。前を気を付けていなかった僕も悪いしね。」

ははは、と少し笑って許してくれた。

やっ優しすぎる……!

でも、この五人は…………。

共通して顔が整っている!ていうか整い過ぎている、といっても過言ではない……!

でも、これからこの人たちと関わることなんてないだろうな~。

とか、呑気なことを思っていた私はバカだったのかもしれない。

だって、あんなことを知ることになるとは思ってもいなかったのだから…………。