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ぬらりひょん様、の部屋はお香が焚かれていて、肘掛けと座布団、部屋の至るところに小さな蓮が淡い光を放っている。

仙樂城って色んな所に蓮があるなぁ。

「やあやあ、客人殿お待たせして申し訳ない。」

そういってさっきの扉から登場してきたのは黒の着物に黄土色の帯をした頭の長い老人。

この人がぬらりひょん様かな?

「ぬらりひょん様、命令通り玉巫女を連れてきました。」

「ほぅ、それはご苦労。」

そういって座布団に座り、肘掛けに肘をかける。

「玉巫女殿、よくぞ参られた。私はこの妖魔界の妖怪達を取り仕切っておる、ぬらりひょんと申します。」

深々とお辞儀をされる。私も自己紹介しなきゃ。

「あ、あの、私は麗華と申します!」

少し緊張してオドオドした状態になる。

「……。」

しばらくの沈黙。

「さて、麗華殿さっそく本題に入らせてもらいましょう。

それは、他でもない、四魂の玉のことです。」

内心、ドギマギしながらもうなずく。

「四魂の玉の事は焔達からもう聞いたでしょうが、四魂の玉は荒の玉、和の玉、奇の玉、幸の玉と四つに別れています。

そしてその内の三つは妖魔界に、あとの一つは玉巫女殿に守られているということですが、妖魔界にあるのは荒、和、奇の玉だけで、
幸の玉は玉巫女殿に守られている状態にあります。」

「でも、玉というのは真に玉巫女が目覚めたときに現れると聞きました。」

「はい。確かにそれには間違いはありません。ですが、私は玉巫女殿に少し聞いていただきたい話があるのです。」