仙樂城の中からもてなすように出てきたのはとても美しい女性。

きっとこんな美しい人でも妖怪なんだろうな。

「私は女官のお菊と申します。

皆様をぬらりひょん様のもとへご案内致します。」

とても丁寧に挨拶をしてくれるお菊さん。

案内されるがまま私達は仙樂城の中へ入っていった。

仙樂城は思っていたよりもずっと奥行きがあって、広かった。

お菊さんは、大きな黒い扉の前で立ち止まった。

金色の線が所々に蓮の模様を描いている。

「この扉の奥がぬらりひょん様のいらっしゃるお部屋でございます。ここから先は私のような女官は入れませんので……。皆様だけでお入りください。」

そして私達は扉の奥へと進んでいった。