さくら、さくら

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とうとう妖魔界にやって来た。

妖魔界への入口を通った向こう側に広がっていた世界は、思っていたよりもとても賑やかだった。

「妖魔界っていつもこんな感じなの?」

渚に聞いてみる。

「今日は八百万の神々を祀るお祭りだからだね。いつもより賑やかなのかな。」

そのせいか、市場のように小さな店が出回っていたり、笛や太鼓のお囃子がどこからか聞こえてくる。

蛙の姿や人間の姿に貴族のような服を着た妖怪達もちらほらと見る。

しばらく歩いていくと……。

「ほら、ついたぜ。ここがぬらりひょん様のいる全樂城《センラクジョウ》だ。」

目の前にあるのは大きな建物。大きな城のようにも見える。

朱色の柱と白色の壁でできていて、綺麗な蓮が咲いている大きな池に囲まれている。

まるで、京都の平等院みたい。

ただ一つだけ違うのはその城の中に入れるように城の入口へと延びた長い橋と階段。

「よくぞいらっしゃいました。」