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ということでやって来ました、夏祭り。

あのあと、焔はそれじゃあ仕方ない、と祭りに来るのを我慢してくれた。

今は碧との待ち合わせ場所にいる。

「麗ちゃーん!お待たせ!」

走ってきた、碧。

そんな彼女は淡い水色の浴衣を着ている。

か、かわいい………!

「碧、浴衣すごくにあってるよ!」

「ありがと~!麗華ちゃんもすごくにあってるよ!」

「そんなお世辞なんていらないよ~?」

ふざけて笑いあう私達。

それに、今日は私も浴衣にチャレンジしてみた。

一人で着付けるのはちょっと大変だったから、帯とかは渚に手伝ってもらったんだよね。

結構渚って面倒見がいいからお母さんみたいだな、なんて思ったりする。

「それじゃあ屋台、まわろっか!」

そういって碧と屋台をまわろうとしたとき。

「やあ!」

後ろから声をかけられた。

ん?

「奇遇だね!こんなところで会うなんて!」

そこには、満面の笑顔の焔と五人の人間姿の妖怪どもがいた。

な、なぜここに……!

「俺達、今から屋台まわるとこなんだ!一緒にどうかな?」

こ、コイツら……!

とりあえずなんとかしなければ。

「み、碧どうする?」

ヤバイ、私結構動揺しちゃってるよ。

とにかく平静をよそおう。

「うん!一緒にまわるのもいいんじゃないかな!」

「え!?」

満面の笑顔でオーケーをだす碧。

「麗ちゃん、嫌だったら断ろうか?」

あ~……。

「だ、大丈夫……。」

「それじゃ、一緒にまわろう!」

……あ~!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ~!

てか、アイツら絶対実は今始めてお祭りでクラスメートと会ったから一緒にまわることになっちゃった的な感じで登場するように図ったな……!?

ていうか結局全員集合しちゃったし……。

仕方ないかぁ~。

それに、人数多い方がきっと楽しい!……はず。

そこですかさず。

「ねーねー、碧ちゃん!俺と二人でお祭りまわらない?」

ウインクをして碧を誘ったのは鬼羅。

…………相変わらずチャラいウインク。

まったく貴様というヤツは……。

おりゃっ!

「いてっ!」

思いっきり足を踏んづけてやった。

私の前で碧をナンパとかいい度胸してるじゃないか……。

「なにしてんの?まさか碧をナンパ……とかじゃないよね?もしそうだったら………ね?分かるよね?」

小声で囁き、グーパンチのジェスチャー。

勿論、これで碧からひくことがなければ私が思いっきり殴ってやる。

「ちぇっ。分かったよ~。」

どういうつもりか分かったらしい。

よしっ、それじゃあお祭り思いっきり楽しんでやる!