「空、学校楽しいか?」
「うん!」
曇りのない、満面の笑み。
俺は、空のおでこに、優しく唇をつける。
そうしてやると、赤ちゃんの頃から空は、すごく嬉しそうな顔をしてたから。
1,2,3,4,5、6、7
俺も心の中で指折り数える。
こないだの誕生日で、空は7歳になった。
空が生まれてしばらくして病気が分かった時、医者は「5歳、そこを目途に覚悟をお願いします」と言った。
空の小学校の入学式を、本人以上に待ち侘びていたのは、両親や俺だっただろう。
8,9、10、11、12、13、14…
俺は、続きを数えるのを途中でやめた。
中学校の入学式も無事に迎えて欲しい。
たくさん勉強して、望む高校に入って欲しい。
だけど、それ以上に、明日も生きていて欲しい。
些細な祈り、贅沢な祈り。
この小さな命に課せられた運命は、どれほどに重たいものなんだろうか。
一日が終わる度に、安堵の溜息が漏れる。
それと同時に、眠る空を見て、明日起きてこなかったらどうしようという、酷く激しい不安に襲われる。
正直、両親も俺も、一日一日、自分達の寿命も削れる想いだった。
だけど、何よりも空本人が生きる事を諦めずに笑っている事に、救われていたんだ。
「うん!」
曇りのない、満面の笑み。
俺は、空のおでこに、優しく唇をつける。
そうしてやると、赤ちゃんの頃から空は、すごく嬉しそうな顔をしてたから。
1,2,3,4,5、6、7
俺も心の中で指折り数える。
こないだの誕生日で、空は7歳になった。
空が生まれてしばらくして病気が分かった時、医者は「5歳、そこを目途に覚悟をお願いします」と言った。
空の小学校の入学式を、本人以上に待ち侘びていたのは、両親や俺だっただろう。
8,9、10、11、12、13、14…
俺は、続きを数えるのを途中でやめた。
中学校の入学式も無事に迎えて欲しい。
たくさん勉強して、望む高校に入って欲しい。
だけど、それ以上に、明日も生きていて欲しい。
些細な祈り、贅沢な祈り。
この小さな命に課せられた運命は、どれほどに重たいものなんだろうか。
一日が終わる度に、安堵の溜息が漏れる。
それと同時に、眠る空を見て、明日起きてこなかったらどうしようという、酷く激しい不安に襲われる。
正直、両親も俺も、一日一日、自分達の寿命も削れる想いだった。
だけど、何よりも空本人が生きる事を諦めずに笑っている事に、救われていたんだ。


