流石に暗くなるまで残すのは、先生的にまずいと思ったのか。倉田先生は手伝いのお礼に、飴を1つずつ私たちに配り、解散になった。

飴1つなんてまるで小さい子のご褒美みたいだ、とみんな文句を言っていたが、お前らそれ以上菓子食べると太るぞ、という倉田先生のありがたいお言葉には誰も反論できなかった。




その日集まった友達の何人かは電車通学。残りは徒歩。

そして私は一人だけ自転車通学。

それぞれの方向も違った事もあり、みんなとは校舎を出た所で別れ、私は一人で自転車置場へ向かった。

校舎の東側にある自転車置場までの通路は、それ程明るくない。申し訳程度の外灯がぽつんと一つあるだけだ。

保護者会ではそれが防犯上よろしくないと、再三意見が出ているみたいだけど、学校側の動きは鈍い。だから今だに薄暗い通路のままだった。

これが何処か他の場所だったらちょっと怖いなと、思うだろうけど、ここはよく知った学校内。

それに遅くなるのも今日が初めてでは無い。