一匹少女が落ちるまで



「これくらいなら大丈夫か」

私の髪の毛を乾かし終わった理央が笑って、タオルをそのまま私の首にかけた。


「あのね、理央」


「ん?」


「ありがとう」


「え…?」


「あの時、理央が私の名前を呼んでくれなかったら私はここにいなかったから。新山さんとも話せなかった。だから、ありがとう」



「……いな」


「え?」


理央が顔を晒して、ボソッと何かを呟いたので、聞き返す。


「ったく…なんでもねー」


……っ!


理央は少し顔を赤くしながら、私の首にかけていたタオルを両手で軽く引っ張って、顔を至近距離にしてそう。




「お風呂上がりはめっちゃエロいって!」

「女風呂覗きたかったー!」


……!

階段の方から男子たちの話し声が聞こえる。


「じゃあ、新山さんと仲良くな」


理央は、階段に少し目をやってから、私の頭に軽く手を置いてそういうと、優しい笑顔で笑ってから、自分の部屋へと戻っていった。