赤に染まる指先

きらきらしてた。

たくさん笑ってた。

きっと。あの頃の私は。

今より可愛かった。

身も心も、今よりずっと。


だけど今の私は嫌い、大嫌い。


あなたに好きじゃないと言われて、

あなたに嫌われて、

それでもあなたを探し求める今の私なんか、私だって大嫌い。


赤を塗り重ねた爪が乾いたのを確認してベッドに潜る。

それから目を閉じる。


暗闇の中、私の意識だけが存在しているような、そんな感覚。


ほら、今あなたが私の名前を呼んでくれた。


そんな気がした。


嬉しくて少し心に明かりが灯る。

だけどすぐに嘘だって気づきて、心はまた光を失って目を開ける。


吐き出した溜め息も、もう何度目か。


数を数えるのさえ、面倒なほど。