*弟と彼女*



「ねぇ、何解いてるの?数学?」


俺はケーキとジュースが載ったお盆を、瑛心の勉強机の上に置く。


「あ、はい」


長倉さんのノートには、何やら懐かしい数式が書かれてあった。


「あー、俺これ苦手だったなー。
三角関数」


俺は長倉さんの隣に腰掛ける。


「お兄さんって、大学生なんですか?」


「そーだよー」


長倉さんは、笑顔で俺に話し掛けてくれた。


だから、つられて俺も自然と笑顔になれる。


「…………」


瑛心をチラッと見たが、関心が無いように本を読んでいた。


俺と長倉さんは、そのまま会話を続ける。