「だったら、私はどこに行けばいいのっ」
……誰かに愛されたい。
そう思ってしまう弱い私が、嫌い。
誰かに愛されなくても、一人で生きて行ければいいのに……。
「……美羽は、俺のところに帰ってくればいい」
「え……?」
涙でぐちゃぐちゃの顔で棗くんを見上げる。
すると、真剣な瞳で私を見つめる棗くんと目が合った。
「俺がいる限り、美羽は俺を帰る場所にしていいんだ」
「棗くん……」
「それにね、美羽は誰の代わりにもなる必要無い、美羽のままでいいんだ」
私のまんまで……。
でも、お父さんはそう言ってくれなかった。
「私は……ずっと必要とされたくて、頑張って家事もやってきたんです……」
「うん……」
「だからっ……私は、自分のことを好きになれない」
分からない、必要とされるってどういう事なのか……。
こんな私のこと、誰が……。