この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。



***


放課後、私は帰るために廊下を歩いていた。

すると、目の前から女の子たちが歩いてくる。


「棗先輩どこに行っちゃったのかな?」

「いつも、昼休みと放課後は姿消しちゃうんだよね~」


あ、あの子達、棗くんのこと探してるんだ……。

そっか、棗くん人気だから、みんなに追いかけられてるんだっけ。


「棗くん、大丈夫かな……」


そんなことを考えながら、階段を降りようとした時だった、誰かにグイッと手を引かれる。


「わわっ!?」

「シッ、ごめんね、今は静かに……」


口を塞がれて、私は階段の踊り場に座り込む。

振り返れば、そこには……。


「ごめんね、美羽。驚かせて」


苦笑いの棗くんがいた。

サラサラの黒髪が、私の額にかかるほどに近い距離。

それに、心臓がバクバクと早鐘を打った。