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放課後、私は帰るために廊下を歩いていた。
すると、目の前から女の子たちが歩いてくる。
「棗先輩どこに行っちゃったのかな?」
「いつも、昼休みと放課後は姿消しちゃうんだよね~」
あ、あの子達、棗くんのこと探してるんだ……。
そっか、棗くん人気だから、みんなに追いかけられてるんだっけ。
「棗くん、大丈夫かな……」
そんなことを考えながら、階段を降りようとした時だった、誰かにグイッと手を引かれる。
「わわっ!?」
「シッ、ごめんね、今は静かに……」
口を塞がれて、私は階段の踊り場に座り込む。
振り返れば、そこには……。
「ごめんね、美羽。驚かせて」
苦笑いの棗くんがいた。
サラサラの黒髪が、私の額にかかるほどに近い距離。
それに、心臓がバクバクと早鐘を打った。


