***


棗くんとマンションを出れば、今日も快晴だった。

それに、梅雨はどこへ行ったのだろうと、少しだけ雨が恋しくなる。


「お、良い天気だね」

「あ、はい!気持ちいいですね」


棗くんと肩を並べて学校へ向かうのは、新鮮だ。

いつもなら、家での出来事にどんよりとした気持ちで外を歩いていたから。

今は、心がいつもより軽い。


「そういえば、こうして一緒に登校するのは、まずくないですか?」


絶対、彼女とか間違えられそう。

ううん、もちろん私が釣り合うとは思えないけど、もしも、勘違いされたら棗くんに迷惑かけちゃう。


「俺は構わないけど……」

「……へ??」


俺は構わないって……ど、どういう意味?

不覚にも、ドキッとしてしまった。