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「「いただきます」」
棗くんと一緒に食事をとるのは、これで2回目。
今日は食パンと卵とハムがあったので、ハムエッグトーストにコンソメスープを作った。
「あの食材の少なさで、ここまで作れちゃうなんて……やっぱり美羽はすごいね」
目を輝かせて朝食を見つめている棗くんに、私は笑う。
「大げさだよ、こんなの誰にでも……」
「出た、美羽はよく自分を卑下するね」
「え??」
棗くんは少し怒ったように私を咎める。
え、どうして棗くんがそんなことを気にするんだろう。
不思議に思って棗くんを見つめると、悲しげに眉を下げた。
「自分を否定することに慣れすぎだ。美羽、昨日も言ったけど、美羽は誰かを幸せに出来るんだよ」
「……私が?そんな、ありえないです……」
だって、お父さんにも必要とされない、死ねばよかった存在なんだから……。


