「朝から心臓に悪い……」

「ご、ごめんなさいっ、お見苦しいものをっ」


もう、なんでこう……空回りするかな。

恥ずかしさが倍増しちゃったよっ。

泣きたい……今すぐ、穴があったら入りたい!!

というか、もう自分で掘りたいっ。


「見苦しいとかじゃなくて……いや、とりあえずパジャマは早めに買った方がよさそうだ」

「はい……今日、帰りに買ってきます」


そうだ、ついでに必要な着替えも買わなくちゃ。

幸い、家のお金の管理は私がやっていたから、お財布には生活していくには困らない程度のお金が入ってる。


「それなら、放課後校門で待ち合わせしようか」

「え、棗くんも来るんですか??」


付いてきてくれることに驚いていると、棗くんは笑う。


「当然だよ、荷物持ちが必要だろ?」

「あ……棗くんに荷物持ちなんて、させられな……」

「俺がやりたいんだ、お願い美羽」


お願いって……。

棗くんはまた困ったような笑顔で首を傾げる。

私は、この笑顔になぜか逆らえなくなっていた。