「ほら、タオルは棚に入ってるから、着替えは……そうだな、俺の服しかないけど、着れそうなものを探してくるよ」


そう言って、一通りお風呂の使い方を説明すると、私をお風呂場に押し込んでリビングへと戻って行った。


「……棗くん……ありがとう」


きっと、私が気にしないように気を遣ってくれたんだよね。

ここに置いてもらう以上、棗くんの役に立てるように頑張らないと……。


そんなことを考えながら、私はお風呂を借りた。


***


「お風呂、ありがとうございました……」


私は、棗くんの大きいパジャマを借りて、リビングへと出る。

歩く度にズボンが落ちそうで、髪ゴムで結いて補強した。


「あ、お帰り……っと、これは犯罪だな……」


ソファーから私を振り返った棗くんは、慌てて私から視線をそらしてしまう。


「えっと、犯罪??」


どういう意味だろう?

聞き返すと、困ったように笑われた。