「棗くん、これは大問題だと思います……」

「えーと……ごめんなさい?」

「棗くんの体に良くないです!」


居候の身で申し訳ないけど、これは見過ごせない。

せめて、居候させてもらう間は私に出来ることをしよう。


「棗くん、食材はカップ麺しか無いんですか?」

「いや、両親が送ってきた食材が確かこっちに……」


そう言って棗くんは玄関へと戻ると、大きなダンボールを抱えて戻ってきた。


そっか、届いた食材は玄関に置きっぱなしだったってことね。


「調理器具は?」

「どこだったかな、確か一番下の引き出しの中にあったと思う」


私に言われるがまま、物を出していく棗くん。

一通りの調理器具はあるみたいだけど、すごく埃を被っていた。


「では、棗くんはソファーでテレビでも見ていてください」

「え!?」

「私、お夕飯を作らせていただきますので」


私はそう言いながらせっせとあるもので料理を開始する。

鶏肉があるから、バター醤油焼きなんていいかもしれない。