【美羽side】


棗くんが入院して、3日が経とうとしていた。

余命と言われていた期限は今日を過ぎれば、あとはどこまで生きられるのか、未知の領域。

あれから私は、毎日欠かさずに棗くんの病室へと通っている。


「美羽お姉ちゃん、お兄ちゃんにまた、ひまわり持ってくの?」


私は、棗くんに会いたいという杏ちゃんと一緒に、病院へと向かっていた。


今日、棗くんのお見舞いに行く前に、暇つぶしの本を取って来て欲しいという棗くんのお願いで、棗くんの実家に寄ったのだ。


棗くんのお父さんとお母さんは、この後病院に来るはずだったのだけれど……。


待ちきれない杏ちゃんが私について来たのだ。


「このひまわりはね、杏ちゃんのお兄ちゃんと見た、思い出の花なんだ」

「へぇー!」


杏ちゃんとは、病院で会う度によく話していたからか、すっかり懐かれている。


お姉ちゃんと慕ってくれるのが、私も嬉しかった。