「っ……なら、私はっ……棗くんだけの、天使になるよ」

「嬉しい……俺の、天使なんだ……?」


私の頬を撫でる棗くんが、ねだるように私の唇を指で撫でた。

私は、ゆっくりと棗くんにキスを落とす。

唇を重ねたまま、流れる涙も拭わずにそのまま触れ続けた。


あのね、棗くん……。

私ね、笑顔を絶やさない。

寂しい時は棗くんの事、抱き締めてあげる。

孤独になんて、させないから……。

棗くんの望む天使になってみせるよ。

残された時間、私は棗くんの天使でいることを、決意した瞬間だった。