「この病気のおかげで、俺は美羽に出会えたんだと思う。それに、神様は俺に贈り物もくれた」

「贈り物……?」


コクリと頷く棗くんに首を傾げると、棗くんは愛しそうに私の頬の輪郭を撫でた。

まるで、その存在を確かめるように。


「一人で孤独に死ぬ事が怖かった俺に、神様はきみという天使を連れてきて、最後に誰かを愛する心をくれた」

「あっ……」


その一言に、目を見開く。

収まりきらない涙が、目尻からポロポロと流れた。

だって、棗くんは……こんなにも私を愛してくれてる。

病気に感謝してしまうほど、私への強い想いを感じた。


「美羽と過ごした時間の全てが……俺の宝物だ」

「っ……」


私にとっては、棗くんと過ごした時間が、日々が宝物。

私……棗くんのいう天使とは程遠い存在だと思うけど……。

私がせめて、棗くんにできること……。