「それにしても美羽、俺にいつまで敬語を使う気?」

「え?」


棗くんは少しだけ怒ったように私を軽く睨んだ。

それに、ハッとする。

そういえば、棗くんにタメ語で話すようにお願いされていたんだった。

今朝の出来事を思い出して、私は顔が熱くなる。


棗くんと朝食をとっている時に、「これからはタメ語で話してほしい」、そう言われたのだ。


「な、なんだかこっちの方が自然になっちゃって……すみま……」

そこまで言いかけて、棗くんの視線が鋭くなる。

私、また敬語を使おうとして……。


「ご、ごめんね、棗くん?」

「よし、いい子」


言い直すとフワリと笑う棗くんに頭を撫でられる。

それにホッとしながら私は棗くんに笑顔を返した。