「……ごめんな、美羽……っ」
謝り続ける棗くんに、私は悲しくなる。
罪悪感を無くしてあげたい。
そして、残りの時間は、お互いが普通の恋人のように過ごせたらいい。
そのために……私が言えることは……。
「棗くんの残りの命……最後の一秒まで、私にくれるのなら……私は、幸せだよ」
「美羽……」
「だから、私を悲しませたというのなら……。棗くんの全てを、私に下さい……っ」
その代わり、私のこの身も心も……棗くんにあげる。
どんなに辛くて悲しくても、棗くんの傍を離れないから……。
「っ……そんなの、初めから美羽にしかあげない。だから……美羽を好きでいてもいい?」
乞うように私を見つめる棗くん。
それに私は泣きながら微笑んだ。
棗くんが、自分を責めないように、自分の心を奮い立たせて。