【美羽side】


***


学校での昼休み。

私はいつも通り真琴ちゃんと裏庭でお弁当を食べていた。


「美羽、風邪がよくなって良かったな」

「うん!真琴ちゃん、メールありがとう」


実は、学校休んだ日に真琴ちゃんから私を心配するメールが来ていたのだ。

風邪で携帯を見る余裕も無かったけど……。


「これ、どうぞ」

親友からの気遣いに私は、お弁当の唐揚げをおすそ分けした。


「お、ありがと。それより、美羽、最近棗先輩とは……」

「あ……美羽!」


何か言いかけた真琴ちゃんの言葉を遮って、こちらへ走ってくるの誰か。

それは、やけに焦った様子の棗くんだった。


「な、棗くんっ!?」

「悪いけど、ここに匿ってくれると嬉しいな」


そう言って、私たちの座るベンチの後ろにしゃがみ込む。

それと同時に、ドタドタと大勢の足音が聞こえてきた。