ヤンキーやめます!

「っしゃあぁぁ!由夏さん、ありがとう!!」



喜びを抑えきれずに、あたしは鏡を投げ捨てて立ち上がった。



由夏さんの手を取ってぶんぶんと上下に激しく振ると、由夏さんはあきれたような顔をした。



「あんたねぇ、見た目がそれでも中身がそれじゃあ…」



由夏さんは何かを言いかけたけど、言葉の途中でケータイの着信音がした。



「あ、ちょっとごめん。彼氏からだ」



由夏さんは満面の笑みでスマホを操作して、耳に当てる。



祐弥がその様子を苦笑しながら見ている。



「もしもし?たっくん?どうしたの?」



「…え」


あたしと瑠花は顔を見合わせた。



さっきまでと声が全然違う。



こんなに高い声で話してたっけ?



「同じクラスの?ああ、峰岸くんのことね。え?」



本人が目の前にいるわけでもないのに、目をキラキラさせて素敵な微笑みを絶やさない。



『かわいい女の子』ってこういう人のことを言うんだろうな。