「よし、次は黒染めね」
由夏さんがそう言って立ち上がると、ケータイをいじっていた祐哉と瑠花がこちらを見た。
「うっそ!いつもと全然違うじゃん!いい感じ!」
瑠花は真っ赤な唇の上下を離して大口を開けて驚いた顔をした。
祐哉も「いいじゃん」と言ってくれた。
「そんなにいいって言われたら、あたしも見ない訳にはいかないよねー」
口元がニヤつくのを感じながら、部屋に置いてあるドレッサーへ向かおうとした、が。
「ちょっと待たんかい」
肩を掴まれて振り返ると、笑顔の由夏さん。
今の言葉使い、若干昔に戻ってません?
さすが元ヤン、見た目はこんなでも力は強くてあたしはドレッサーへ近づけなかった。
「どうせだったら黒染めも終わった後に見ることにしましょ。そっちの方がよっぽど驚くことになると思うし」


