ヤンキーやめます!


だるそうに頭をかく背の高い金髪。



本庄祐哉。あたしたちのリーダー格と言ってもいい。



腐れ縁なのか何なのか、小学四年生からずっと同じクラスだったあたしの良く知る奴。




祐哉は瑠花の反対側、あたしの右側に座った。




「今日はよくも俺らを待たせてくれたな美緒」




祐哉はコツンとあたしの頭をこづく。




いつもみたいに、楽しそうに。




腐れ縁だからかな、あたしといる時は少しトゲがなくなるってみんなも言う。




「悪かったな。次は気をつけるよ」



あたしも同じように祐哉の肩をこづき返す。




「そういやぁお前、そのカッコで新山高校の入学式やってきたのかよ。馬鹿だなぁ」




「お前よりは馬鹿じゃねーよ」




祐哉の言葉でふと見たスカートに砂がついていることに気付き、手で砂を払う。




と、スマホがジャージのポケットから落ちた。