瑠花がそういうとまた下品な笑い声が起こった。
こんなのいつも通りのことじゃん。
三年間過ごしてきたこの場所じゃん。
なのに、頭の中にあるのはさっきの男の子の笑顔。
こんな下品な笑い方じゃなくて、もっと爽やかな笑い方。
「ねぇ〜聞いてんの?今日のあんたおかしいんじゃない?」
ドンッと瑠花はあたしの背中を叩いた。
「ってぇ!何だよお前〜」
思いがけず走った痛みに思わずキレる。
『怖ぇよな〜』
『そうだな』
だな…
だな……
また蘇ってきた、あの声。
「わぁぁごめん!全っ然痛くないよ!瑠花は悪くないよ!」
「…は?」
その場にいた全員が瑠花の手を掴んで覗き込むあたしをぽかんと見つめる。
「気持ち悪ぃなぁ、ほんとにどうしたんだ?」
「あ、祐哉」
瑠花の声にあたしは振り向いた。


