僕が教室に入るとみんなは話すことをやめて、僕のほうを見る。



『うわっ、また来たよ宇宙人。』



『ほんと。なんであんな平然としてられるのよ。』



『化け物が来たぞーっ!』



『一気に空気悪くなった。何で学校来んの。』



教室内は僕の悪口だけでざわつき始めた。



これは毎朝のこと。



だからいちいち傷つくのはやめた。



僕が傷ついたり泣いたりしたらもっと喜ぶから。



そんなことを考えてたらちょうど教室のドアが開いた。



「おーい、席に着けー。」



先生のあとに続く1人の男子生徒。



クラス中の女子は目がハートになっている。…あれが世にいう¨イケメン¨なのだろう。



さっきとは全然違うざわつきが教室をいっぱいにする。



「はーい、静かに。今日は転入生を紹介する。」



先生が男子生徒のほうを向き自己紹介するよう、促す。



「名倉銀(なぐらぎん)です。よろしくお願いします。」



男子生徒…いや、名倉銀さんはそういって礼をする。



そして頭をあげる…



目が、合ってしまった。