こんなのにうかうか参加でもしたら。


 雪に覆われた山野を雪中行軍中に、他のメンバーについて行けなくなり。


 置いてけぼりにされて遭難し、救助隊に救出されたとしてもその後「自己責任論」を振りかざす輩からバッシングを受けたり、捜索隊のヘリコプター代を請求されたりして、近所に顔向けできなくなったり。


 両手足しもやけどころか凍傷になってしまい、切断を余儀なくされるかも……!


 北海道民なのに冬の寒さを異常に恐れる私は、よからぬ行く末ばかりを頭の中で思い描いてしまう。


 「美花ちゃん?」


 「は、はい!」


 急に反応が亡くなったため、東さんは私が寝てしまったんじゃないかと心配したようだ。


 「そういうわけで、急なキャンセルが出て女性の参加人数が半端になっちゃったんだって。今から再募集かけるのも面倒なので、近場でちょうどいい人いないかなって探してるみたいなんだ。てなわけで美花ちゃん、お願いできるかな。事情が事情なだけに、参加費は徴収しないって言ってたし」


 ……半ば強引に押し切られた。