尊がいなくなって一月が経った。
相変わらず、日々は流れていて。

尊がいなくても、時間は流れていくのだと否応なしに感じさせられる。



それでも、私の心の中にはぽっかりと空いた穴が塞がらず。
言いようのない寂しさが付きまとう。


わかっていたことだと何度も自分に言い聞かせた。
それでも、現実を受け入れるにはまだ時間がかかる。



ひとりになってしまったアパートの一室がこんなにも広く感じてしまうほどには。




「はぁ・・・」




ため息を一つ。
こんなにも、一人は寂しかったっけ。



最近の私は、仕事に逃げている。
仕事を必死にやっていれば、辛いことを考えずにすむ。


尊がいない現実からも逃げられる。



そうやって現実逃避をしていれば、上司からは認められ、一層仕事が忙しくなる。



馬鹿げていると思うけど。