その可能性は全く考えてなかった。
だって、尊以外にそんな存在見たことなんてないし。

他にもいるなんて、考えなかったわけじゃないけど、まさか目の前に現れるなんて思ってもみなかった。



朝会った時、彼は化け物がどうとか言っていた。
それは、尊のことだったの?



「う・・・いた・・・ううっ」




尊が突然頭を抱え苦しみだす。
私は慌てて尊に駆け寄った。



「尊!」

「う、・・・頭、いた・・・」




激痛に耐えるような表情。
心配になって、どうしたらいいのかわからなくて戸惑う。



「尊、医務室に行こう。立てる?」



白銀部長のことは気になるけど、今は尊の方が大切だ。
尊を立たせると周りに一言告げて医務室に向かった。