「ごめんね、ちょっとどかすね・・・」



これじゃあ起きれないし、会社にも行けない。
そっと狐を抱え様と触れようとした時・・・。




「おれに、触るな!」




「わっ!?」



ぐわっ、と歯をむき出しにして狐が目を覚ました。
び、びっくりした。
寝てたと思ったのに。





「・・・ん?」




いや、そうじゃなくて、今。
なんか・・・なんか、おかしかった。


歯をむき出しに威嚇されたのはわかる。
そうじゃなくて、今・・・。



「おれに触ったら、その手噛み千切ってやる」

「・・・え、え、え!?しゃ、喋った!?」




空耳でもなんでもない。
確実に今、喋った!?



で、でも、そんなわけない。
だって、狐が喋るわけない。