「ごめんね、ミコト・・・」



抱きついてきたミコトを宥めるように頭を撫でる。
ミコトは、ギュッとしがみ付いた後勢いよく顔をあげた。



「亜子、お風呂!」

「あ、う、うん」



叫ぶようにそう言われ、きっと匂いのせいだと確信する。
きっと今日はお酒の匂いとかいろいろついてしまっているだろう。

匂いに敏感なのに、可哀想なことしちゃった。



お酒抜けきってないし軽くシャワーにしよう。



「ごめんね、すぐ入って着替えてくるね」

「・・・ん。亜子、なんでフラフラしてる?」

「え?あ、・・・お酒飲んできたから」

「しんどい?」

「ううん、だいぶ抜けてきてるから大丈夫だよ」


心配、してくれてるんだな。
寂しそうなミコトの表情。
寂しい思いさせてしまったよね。




私は急いで着替えを持ってお風呂場に行った。



今日は、いろいろなことがあった。
初めての接待。
そして失敗・・・。
それから先輩の意外な一面。


私が飲まされても、なにされても、仕事だからって斬り捨てるタイプかと思ってた。
仕事に関してはとても厳しい人だし。


意外だったな・・・。
私の事、本当に心配してくれている様子だった。
責任も感じさせてしまったし。


明日、改めて謝ろう。