「流夜は生まれた時の惰性で生きている。それにゃあ俺も異論はねえよ」 あいつは、生きている理由がなかった。 生きていていい理由、ではない。 そして、理由を探そうともしていない。 「……でも、娘(じょう)ちゃんといるときは楽しそうだったぞ。生きてるの」 「………」 在義から否定はない。 それはわかっているんだろうな。