「お前の咲桜への好意は、勘違いだ」
「………」
「咲桜は、ある一定の人種にだけ強力な引力を持ってるんだよ。
お前はその人種で、今日引力に引かれてしまった。松生や日義のように。
だから、お前が咲桜に持ってる感情は恋愛感情じゃない。ただの勘違い、あるいは友情の始まり。そんなとこだ」
「………非人道なくらいバッサリだね。さすがに僕も呆れる惚れこみ具合だよ」
そうか、そう言い切れるくらい惚れ込んでいないと、あの子は駄目なのか、と考える。
今日のナンパ男たちも、吹雪がいつもの手で追い払おうとした。
ら、先に咲桜が吹雪の方を抱き寄せてきたのだ。
そして『この子の貴重な時間譲れませんよ』とか言った。
年下の咲桜に『この子』扱いされたのとか、『彼女』と女扱いされたのとか、色々びっくりして固まってしまった。



