朧咲夜ー真相ー【完】



『ごめんなさい。今日は私と彼女のデートの日なんですよー。忙しいこの子の予定、あなたたちには譲れませんよ』


「「…………」」
 

そう言った声は吹雪のものではなく、咲桜のものだった。


……なんだって? 


一拍固まった後咲桜と吹雪を見遣ると、咲桜が吹雪の肩に腕を廻していた。


そしてなんと、吹雪が真顔で固まっていた。
 

男たちは「え」と息を呑み、何か悪いものに触れてしまったように踵を返した。
 

無言の流夜、吹雪。


降渡だけが呟いた。


「……咲桜ちゃん、強」