三月ほどして、所長に呼び出された。


室長になれと言われた。面倒なので嫌ですと断った。


所長渋面になった。就かないと天科全のところへ送るぞと言われた。


流夜不機嫌まるだしになった。全は未だ蒼・衛と喧嘩中だ。今全側につくのは避けたい。


これ以上十三桜(あいつら)を敵にしたくない。


今まで通り行動に制限をかけないならと受け入れた。


所長上機嫌。流夜不機嫌。


だが、役職に制約をゆるす流夜でもなかった。
 

咲桜の卒業までは離れている。そう決めた。


でも、あの日の咲桜の嬉しそうな顔は忘れられない。


匿名でプレゼントを贈った。


モロばれだったよ、と後に在義から聞かされた。


「どうでしたか?」と訊くと、「キレてた」との返事。え?


「キレ……?」


「うん。『何さらしてんだあの人はー!』って怒ってた」


「………」
 

流夜、蒼白。


ま、まさかそこまで嫌われ……やばい、哀しすぎて死にそう。


「『こういうの選んでくれるなら一緒に顔見せろよ!』とね。いやー咲桜の言葉がどんどんドンドン悪くなっていくよ。君のおかげで」
 

在義は笑顔。流夜は死相。


……逢いたいのはこっちだって同じだ。