「……マナさん、ですよね? 吹雪さんにとってどんな存在なんですか?」 「そうだね……鬼のように美しい人だよ」 「鬼のように、ですか……」 「そう――美しい鬼のようでもあるし、鬼のように美しくもある。――世界の誰よりも、高い場所に彼女はいる」 「素敵です」 「そ? 大概は意味わかんねって言われるよ?」 「わかりますよ。ほかに例えるものがないほどの――ですよね」 「……やっぱり咲桜ちゃんって話せるよね」 吹雪は何故か少し、嬉しい気持ちだった。