朧咲夜ー真相ー【完】



「神宮家のか? 報道くらいでしか知らないけど? ――解決する気になったのか?」
 

流夜は特に何を見るでもなく、窓の外へ視線をやった。


「……美流子は、もう死んでた」


「……知らない情報だな。どの筋だ?」


「……そんで、美流子を攫ったヤツに、会って来た」


「……お前本当、俺を無視して話すよな。……会って来た? って、見つけ出したのか?」


「いや、在義さんが。……在義さん、そいつのこと、前から知ってたのかな……」
 

全は、組んでいた足を解いた。


「華取翁なら、そうだろうな。むしろ知らないわけがない気がする。お前が解決する気になったから、教えた。……ということは、そいつももう墓の下か?」


「病院のベッドの上で、呼吸器で生きてる状態だった」


「そこまでガチで会って来たのか。……大変、だったな?」
 

気遣う様な全。流夜は項垂れた。


「ああ……大変だった……」