「絆。そろそろ仕舞い。咲桜が人格崩壊しそうだ」
 

えぐえぐと子どものように涙ぐんでいる咲桜ちゃんを見かねてか、涼花さんが止めに入ってくれた。
 

俺が止めても聞いてくれないのは、話題がりゅうのことだからだ。


「お前だって雲居のことを振り続けていただろう。大差ない」


「私と神宮が大差ないってんですか⁉ それは嫌です!」


「話は最後まで聞け。あたしが言ったのは、咲桜を泣かせてるのが一緒だって意味だ。見ろ、お前の旦那まで挙動不審になってるじゃないか」
 

と、ゆく当てのない手を出した格好の俺を、涼花さんが示した。


「………ごめん、咲桜」


「いえ……流夜くんが絆さんを、傷つけたことは、聞いてます……こちらこそすみませんでした」
 

そしてりゅうの代わりに謝っちゃう咲桜ちゃん。


こっちはこっちでりゅうにべた惚れだ。