朧咲夜ー番外篇ー【完】



「うん。もうすぐ逢えるよ。笑満お姉ちゃんとびっきり綺麗で可愛いから、るなびっくりしちゃうかも」


「びっくりですか。こんなかおしちゃいますか?」
 

と、ムンクの叫びみたいな顔をして、両頬を手で押さえた。


可愛くて、咲桜はくすくす笑ってしまった。


「しちゃうかも。お兄ちゃんがいっぱい写真撮ってくれるから、またあとでみんなでお話しできるね」


「お兄ちゃん! ちゃんとおしごとしてくださいね」


「わーってる」
 

頼ははらりと手を振って、会場のカメラマンがいる方へ一人向かった。


頼は、一応笑満の側の私設のカメラマン、ということになっている。


頼なら好き勝手撮るだろうけど、腕は確かだから……と、咲桜も諦めている。
 

咲桜はるなと手を繋いで、友人たちが空けていてくれた前の方の席に向かう。


親族席の一列後ろを、咲桜の場所だとしてくれているのだ。


「咲桜、その子って妹さん? 夜々子先生の娘の?」