朧咲夜ー番外篇ー【完】



「………」
 

咲桜は否定もフォローも出来なかった。


実際頼は、流夜と斎月に感化されてしまった。


「あーでもいいなー超イケメンの旦那」


「イケメンってか美丈夫って言葉が似合う感じじゃない?」


「えー、美形のが合うよー」
 

わいわい騒ぎだしてしまった。


これで流夜が来るだけならまだしも、今日は降渡と吹雪もいるのだ。うーん、と咲桜は内心うなる。
 

と、咲桜が解決していないうちに。


「もー、降渡その顔やめてよ、鬱陶しいなあ」


「吹雪、今日くらいはおさえてやれ」


「ったく。だったらネクタイしなくてもいいじゃん。遙音も龍さんも、その辺りわかってるんだから何も言わないよ。――あ、咲桜―」
 

やたら目立つ三人が入って来た。


一人、死にそうな顔をしている。
 

女子たち、一瞬黙り込んだ。