朧咲夜ー番外篇ー【完】


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「咲桜来たよ!」


「捕獲!」


「え」
 

高校時代のクラスメイトに両脇から捕縛された。






「はい……言ってなくてすみませんでした……」
 

今日は笑満の結婚式。


みんなとも逢えるー、と楽しみにしていた咲桜だけど、式場のロビーに入るなりクラスメイトだった女子たちにとっ捕まった。


理由は一つしかない。


その理由は今、一緒に遙音の親族席に並ぶ友人たちを外で待っている。


クラスメイトの女子全員に囲まれて、咲桜は観念していた。


「咲桜の結婚式の写真見せてもらったけど、お似合い過ぎてむしろ驚けなかったよ」


「先生って本当は冷たい人なんだって思っちゃってた。ほら、警察の二人? が来て性格豹変して以来」
 

実際、流夜は『咲桜以外はどうでもいい』と言ってのける。が、


「あれは……みんなが事件の方に来ちゃわないようにって、わざと線を引いてたのはあると思う」
 

……フォローも、一応しておかねば……。


「いや、普通行かないよ」


「行っちゃうの、日義くらいでしょ」